財政破綻後の日本

日本はすでに財政破綻している。後はそれがいつどのような形で表面化・顕在化するのか?と言う事だ。言い換えれば、どのような形で借金の踏み倒しが行われるのか、と言う事である。

>わが国の財政はすでに構造的に破たんしている。次に起こるのは「国が国債発行したくても買い手が全くいない国債の札割れ」である。これは25年頃までには起こると予想されている。 わが国の財政はすでに構造的に破たんしている 2018.01.18 研究主幹  松山 幸弘 キャノングローバル戦略研究所より引用 CLINIC BAMBOO 2018年1月号掲載 https://www.canon-igs.org/column/macroeconomics/20180118_4693.html

>国債を巡る危険な楽観論  2019/06/20 五十嵐 敬喜 「統合政府」という誘惑 最近は、いったんは市中消化された国債を日銀が大量に購入するという事態が生じている。ラフに言って1000兆円に上る国債発行残高のうち、日銀の保有額は470兆円を超えている。そこへ登場したトンデモ論が「統合政府」というアイディアだ。 中央銀行である日銀は政府の一員でもあるから、政府と日銀を「一体化した存在」として捉えようというものだ。そうすると日銀が保有する国債は統合政府の資産となり、政府が発行した国債は統合政府の負債ということになる。そこで両者を相殺すれば、500兆円近い国債を消すことができる。おかげで財政状況が一気に健全化するというのだ。そんなうまい話があるのだろうか。 >先ほどの問題もそうだが、金融の問題はバランスシートで考えるとよくわかる。まず政府だ。国債を発行して資金を得ると、政府のバランスシートは負債側に国債、資産側に現金が計上される。政府が、この現金を支出すると、資産側から現金が消えて、負債側の国債発行だけが残る。しかし、これでは左右がバランスしないので、右側の資本の部に「債務超過」というマイナス項目が計上されることになる。実際、財務省のホームページを見ると、国のバランスシートの資本の部に「資産負債差額」としてマイナス計上されている。 一方、日銀のバランスシートを見ると、資産側に購入した国債が計上され、負債側には「日銀券発行額」が計上されている。そこで、政府と日銀のバランスシートを合体して国債を相殺すると、統合政府のバランスシートでは、資産側には何も残らず、負債側に「日銀券発行額」と資本の部に「債務超過額」が計上されることになる。 発行された通貨は統合政府の負債だ。1万円と印刷された紙が通貨としての価値を持つためには、何らかの裏付けが必要だ。日銀が紙幣を発行する場合は、資産側に計上されている国債が通貨価値を担保していた。しかし、その国債が消されてしまった後は、通貨価値を担保するのは政府の「債務超過」ということになる。これはどう考えればいいのだろうか。 >うますぎる話にはご用心 政府単独のバランスシートに「資産負債差額」がマイナス計上されているのは上で指摘した通りだが、それが許されているのは、政府には「徴税権」という隠れた資産があるからだろう。バランスシートには計上されていないが、いざとなれば政府は国民から資産を強制的に取り立てる権限を持っているから、債務超過状態を続けていても許されるという理屈だ。 しかし統合政府のバランスシート上にあるのは、通貨発行高という負債と債務超過というマイナスの資本だ。統合政府が債務超過を清算する方法は徴税だが、それは国民が保有している現金を奪うことにほかならない。470兆円の債務超過が消える際に、470兆円の現金を国民が失うということだ。 政府と日銀を一体化して捉えれば、発行済み国債のうち日銀が保有している分を消すことができるという考え方は、同額の現金を国民が失うという代償を伴う。これまで現金という言葉で説明してきたが、より一般化して言えば預金のことである。そうなると、これは聞いたことがある話と同じであることが明らかになる。そう、「預金封鎖」だ。「フリーランチはない」、つまり、世の中にはただのものはないという格言を持ち出すのが適当なのかどうかよくわからないが、うますぎる話には用心しろということの典型であるのは間違いないところだ。 (三菱UFJビジネススクエアSQUET 情報スクエア「五十嵐敬喜の『経済をみる眼』」2019年5月17日より転載) https://www.murc.jp/report/rc/column/igarashi/igarashi190620_1/

日銀が持っている多額の国債をどうするのか? 中央銀行が国債を抱え込むと本当の財政ファイナンスになってしまい、通貨が信用を失って暴落。ハイパーインフレを引き起こす。どれだけの期間なら日銀が持っていてもいいのかは市場の判断であり、予測することは不可能だ。アメリカは財政ファイナンスと受け取られないようにするために出口を急いだ。(アメリカも最近では利上げしてないが、それだけ出口が難しいと言う事。) 日銀は額面より高く国債を買っているため、満期まで待っていると損失を被る。中央銀行が債務超過に陥ると通貨が信用を失って暴落。ハイパーインフレを引き起こす。(例外的に、90年代のインドネシアやチリの場合、緊縮財政を行っていたため、ハイパーインフレは起きなかった。) 緊縮財政は政治的に不可能である。緊縮財政ができないから国の借金が増え続けたのだ。 日銀が途中で国債を売ろうとすると今度は高く買った国債を安く売ることになり、やはり損失を被り債務超過に陥る。インフレを抑えるために金融引き締めを行う場合、日銀は高く買った国債を安く売ることになる。付利の引き上げを行う場合、金利を引き上げることになるから、より安く国債を売ることになる。 仮に日銀が満期まで待ってから国債が出ていくのを待つとすると。 1 増税で国債を償還する。 毎年90兆円から120兆円を借り換えてるため、毎年90兆円から120兆円ずつ増税していくことになる。消費税を50%から60% 上げることになるが、そんなことは政治的に不可能だ。また日銀が被った損失を公的資金投入で補てんしていくことになる。これも増税が必要だ。 2 途中で売却する。 安くしないと銀行は買わないため、日銀は高く買った国債を安く売ることになる。日銀が債務超過に陥る。 3 国債を発行し借金で借り換えを続ける。 利回りが低いままでは国債は売れない。 アメリカのように徐々に金利を引き上げていくと、国債を持ってる銀行が評価損を被る。 そうなれば皆金利が上がるところまで上がってから国債を買うことになる。つまり皆が様子を見て国債を買わないようになるから、国債は売れないことになる。 また、国民の預貯金では国債を買い支えることができなくなる。早ければ2020年。遅くとも2020年代の後半には国債の国内消化が不可能になる。外国人投資家に売ろうとするなら、より高い利回りをつけないと売れない。 2022年から団塊世代が後期高齢者になり、医療と介護で20兆円の予算が必要になる。 17年度に日本の財政は10年も持たないと予測されていた。つまり2027年までに財政破綻することになる。 円が信用を失って暴落しハイパーインフレを引き起こす可能性が極めて高いのだ。 しかし、将来世代のためには老人に搾取されるよりハイパーインフレのほうがましと言う事になる。

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