日銀が持っている多額の国債をどうするのか? 中央銀行が国債を抱え込むと本当の財政ファイナンスになってしまい、通貨が信用を失って暴落。ハイパーインフレを引き起こす。どれだけの期間なら日銀が持っていてもいいのかは市場の判断であり、予測することは不可能だ。アメリカは財政ファイナンスと受け取られないようにするために出口を急いだ。(アメリカも最近では利上げしてないが、それだけ出口が難しいと言う事。) 日銀は額面より高く国債を買っているため、満期まで待っていると損失を被る。中央銀行が債務超過に陥ると通貨が信用を失って暴落。ハイパーインフレを引き起こす。(例外的に、90年代のインドネシアやチリの場合、緊縮財政を行っていたため、ハイパーインフレは起きなかった。) 緊縮財政は政治的に不可能である。緊縮財政ができないから国の借金が増え続けたのだ。 日銀が途中で国債を売ろうとすると今度は高く買った国債を安く売ることになり、やはり損失を被り債務超過に陥る。インフレを抑えるために金融引き締めを行う場合、日銀は高く買った国債を安く売ることになる。付利の引き上げを行う場合、金利を引き上げることになるから、より安く国債を売ることになる。 仮に日銀が満期まで待ってから国債が出ていくのを待つとすると。 1 増税で国債を償還する。 毎年90兆円から120兆円を借り換えてるため、毎年90兆円から120兆円ずつ増税していくことになる。消費税を50%から60% 上げることになるが、そんなことは政治的に不可能だ。また日銀が被った損失を公的資金投入で補てんしていくことになる。これも増税が必要だ。 2 途中で売却する。 安くしないと銀行は買わないため、日銀は高く買った国債を安く売ることになる。日銀が債務超過に陥る。 3 国債を発行し借金で借り換えを続ける。 利回りが低いままでは国債は売れない。 アメリカのように徐々に金利を引き上げていくと、国債を持ってる銀行が評価損を被る。 そうなれば皆金利が上がるところまで上がってから国債を買うことになる。つまり皆が様子を見て国債を買わないようになるから、国債は売れないことになる。 また、国民の預貯金では国債を買い支えることができなくなる。早ければ2020年。遅くとも2020年代の後半には国債の国内消化が不可能になる。外国人投資家に売ろうとするなら、より高い利回りをつけないと売れない。 2022年から団塊世代が後期高齢者になり、医療と介護で20兆円の予算が必要になる。 17年度に日本の財政は10年も持たないと予測されていた。つまり2027年までに財政破綻することになる。 円が信用を失って暴落しハイパーインフレを引き起こす可能性が極めて高いのだ。 しかし、将来世代のためには老人に搾取されるよりハイパーインフレのほうがましと言う事になる。